審査/監査

2012年6月13日 (水)

ISO19011:2011(JISQ19011:2012)改訂

改訂されたISO19011:2011(JISQ19011:2012)について、紹介したいと思います。
この規格は、「マネジメントシステム監査のための指針」というタイトルに代わりました。2003年版では、「品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針」で、品質と環境だけが対象でしたが、全てのマネジメントシステムへの適用が広がったわけです。

また、「審査登録機関による審査」の規格は、ISO17021に統一されていますので、ISO19011の対象から、「審査登録機関による審査」は外れた点に注意してください。つまり、内部監査(第1者監査)や取引先の監査(第2者監査)が主な対象です。
ただし、ISO19011が、「審査登録機関による審査」の参考になることは、言うまでもありません。

その他に、私がポイントと思う点は、下記7項目です。

①「有効性監査」の視点強化

内部監査をしていても、効果が上がらないという声を耳にします。「手順通りやっているか」ではなく、「この手順で良いのか」という視点まで踏み込むための内容が盛り込まれました。

 

②トップマネジメントの関与の強化

内部監査では、トップ(社長等)が関与しないと、うまく機能しないことから、トップマネジメントという単語が登場する機会が増えています。

 

③リモート監査(遠隔監査)の観点導入

現地訪問審査が基本ですが、ITの発達により、コンピュータやテレビ会議といったツールを使った監査「リモート監査(遠隔監査)」の観点が導入されました。

 

④監査のリスクの観点導入

監査に関するリスクについての観点が導入されました。例えば、監査チームの知識が足らないことによって、十分な監査ができないリスクを回避するといった点です。

 

⑤監査員の力量

品質、環境以外に適用が広がったことにより、共通する力量と各分野の力量の内容が充実しました。

 

⑥情報セキリュティの観点導入

情報セキュリティの重要性が高まっているので、この観点も盛り込まれました。

 

⑦「優れた実践」の観点導入
監査が「アラ探し」になっていると、受ける側も構えてしまいます。「良い点(優れた実践)」は、積極的に褒める、他の部門へ展開する、といった観点が盛り込まれました。

 

上記のようなポイントを踏まえ、特に内部監査の「有効性向上」に活用して頂きたい規格です。

2012年3月20日 (火)

”化石”のような、安かろう悪かろう審査機関に御注意を!

私がコンサルティングした化学工業A社が、ISO14001の初回認証登録審査を受けたときの出来事です。

審査の最終日の午後、A社の担当者Bさんから、私の携帯に電話がかかってきました。何やら、Bさんの様子がおかしい。

Bさん「田坂さん、大変です。審査員が”環境側面”のところで、”環境工程図”を作っていないのは”重大な不適合”だと言って、暴れています!どうしたらいいでしょうか?」

私は、「いまどき、こんな相談を受けるとは」を思いながら、Bさんに言いました。

私「Bさん、大丈夫ですよ。そのような”化石”のようなヘンな審査員を”一発で撃退する方法”を伝授しますから」

Bさん「えっ!本当ですか!」

私「Bさん、最終ミーティングのときに、その審査員に”それはISO14001の規格要求事項のどこに抵触するのですか?”と言うだけで結構です。それで”一発で撃沈”できますから、御安心を。その審査員は、電機か機械業界出身の方ですよね?」

Bさん「確かに機械業界出身です。田坂さん、よくわかりますね。”技術専門家”とかいう人も来てますが。ところで、”環境工程図”とは何ですか?」

私「”環境工程図”というのは、電機・機械業界のように、製造工程が長い業界でよく使われている手法で、工程毎に、投入される物質、排出される物質をまとめていく図のことです。御社のように、化学反応装置にいろいろな製品を仕込んで化学反応させて、1工程で多種の製品を作り分ける業界には作る意味がない手法なので、私は作ることのアドバイスをしなかっただけです。ISO14001規格には、”環境工程図”を作ること、という”要求事項”はありませんから大丈夫ですよ。」

Bさん「そうですかぁ~。安心しました。そのように言ってみます。」

夕方になって、Bさんから私の携帯に再び電話がかかってきました。

Bさん「田坂さん、ありがとうございます!田坂さんのアドバイス通りに答えたら、指摘事項を取り下げてくれました。不適合・是正処置要求事項:0件で合格しました。」

というわけで、A社はめでたく、ISO14001認証を取得され、「環境にやさしい取り組みをする企業という”お墨付き”」を手に入れられました。

審査員は、あくまでもISO14001に基づく審査であれば、ISO14001という国際規格に基づいて審査をしなければいけない、これは審査の「基本中の基本」です。しかしながら、自分の経験した内容をやっていないと「不適合・是正処置要求」と暴れてしまう困った審査員がいらっしゃいます。そのような方は、20世紀で「恐竜」のように滅びたと思っていたら、21世紀になって10年以上経つのに、まだ「化石のような審査員」が生息していました。私がアドバイスしなかったら、A社はどうなっていたのやら!?

最近、ISO14001の審査料金を安い価格に設定している審査機関が出てきています。このケースの場合は、まさに「安かろう、悪かろう審査機関」の典型です。

ISO14001の認証を取得しようと考えておられる組織、安い審査機関に乗り換えようと思っておられる組織の方は、「料金が安い審査機関は”安かろう、悪かろう審査”になる”覚悟”を持たれるならば、安い審査機関を選定されてください」、と提言しておきます。

審査現場の「珍百景」

テレビ朝日系列で、水曜日の午後7時から「ナニコレ珍百景」というテレビ番組があります。全国の珍しい光景、風景を紹介して、審査員?が「珍」ボタンを全員が押すと、「珍百景」に登録される番組です。

私が、ISO14001等の審査業界に転じたのは、1996年ですので、早や16年です。これまで16年間で、数百回は「審査」していると思いますが、私の「審査現場の珍百景」に登録したいものを2件紹介します。

1.「ちゃぶ台」と猫

ある廃棄物収集運搬業(AB商店)の審査に行ったところ、地図で「ここだ!」と思った場所には、「AB商店」ではなく、「AB酒店」の看板が出ていました。私は、「間違えたかな、でもここだよな~」と思って、携帯電話から電話しました。すると、社長さんが電話に出られて、「AB酒店で合っていますから、横の階段を上ってください」とのことでした。階段を上がってドアを開けたら、「普通の和室」でした。

社長さんが言われるには、「酒屋だけでは食べていけないので、廃棄物の収集運搬業をやっているんですが、事務所はないんですよ」。とういうことで、普通の畳の部屋の中の小さな「ちゃぶ台(漫画「巨人の星」に出てくるような)」の上で、書類を広げて審査を始めました。すると、猫が「ニャーン」となきながら、私の足元へやってきました。そして、猫は、私の足元でスヤスヤ寝てしまいました。さすがに、「ちゃぶ台」&寝てしまったニャンコでの審査は初経験でしたが、無事に認証を取得されました。

2.アミューズメント施設

あるアミューズメント施設の審査に行きました。そこはボーリング、ビリヤード、卓球、カラオケボックス、ゲームセンター等が入っています。訪ねたところ、社長さんが「会議室がないので、こちらでお願いします。」と連れて行かれた所は、なんと「カラオケボックスのパーティー用ルーム」でした。部屋には、お偉方が10人くらいいらっしゃいました。カラオケ大好き人間の私は、審査よりカラオケしたくなりました。照明が”チラチラ”と輝いたり、点滅している中、書類が見にくくて困りましたが、無事に審査合格となりました。

以上、私の「審査現場の珍百景」登録候補の2件でした。

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