廃棄物・リサイクル

2012年11月26日 (月)

食品業界の「1/3ルール」見直しへ

日本の食品業界には、「1/3ルール」という商習慣があります。

すなわち、賞味期限の「1/3」ずつ過ぎると、返品や廃棄されてしまうのです。
例えば、製造日から賞味期限が6ケ月であるとしましょう。製造日が2012年9月1日だとすると、賞味期限が2013年3月1日になります。6ケ月の1/3となる「2ケ月」以内に卸売業者に売れない場合は、まだ賞味期限が残り「2/3の4ケ月間」残っていても、返品や廃棄されてしまいます。
同様に、卸売業者からは、「2/3が経過した」2013年1月1月までに販売されないと、返品や廃棄となってしまいます。
「食品メーカー」  →    「卸売業者」   →   「小売業者」  →  「消費者」
2012年9月1日  2012年11月1日    2013年1月1日 

これは、たいへんに「もったいない」商習慣です。

日経エコロジー12月号や、11月20日放送のテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」によれば、10月から農林水産省が、「1/3ルール」の見直しに着手したそうです。

また、伊藤忠食品㈱が「Ecoモッタイナイ.com」(http://tabemart.com/)というWebサイトを立ち上げており、まだ賞味期限が十分に残っている「訳あり食品」を、メーカーと小売業者をマッチングさせる取組を開始しています。

ワールドビジネスサテライトで紹介された、松坂屋デパートの「訳あり商品セール」では、卸売業者への1/3が過ぎた「訳あり商品コーナー」が大人気とのことでした。
賞味期限が2014年になっている食品があり、このような食品が廃棄されることもある
とは、困ったものです。

ビール業界では、「1/3」を「4/9」に緩和する動きが始まっているようですが、賞味期限のあり方そのものや、包装材料の進化による賞味期限期間の長期化を考えていく必要もあると思います。

農林水産省のホーム―ページ(http://www.maff.go.jp/j/fs/f_label/f_processed/limit.html)によれば「賞味期限」は、
「開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、おいしく食べられる期限を示しています。賞味期限内においしく食べましょう。ただし、賞味期限を過ぎても食べられなくなるとは限りません。」
と記載されています。

似た用語として、「消費期限」は、
「開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、食べても安全な期限を示しています。消費期限内に食べるようにしましょう。」
と記載されています。

「賞味期限」「消費期限」の意味を考えて、消費者も、やみくもに期限にこだわりすぎないことも重要と思います。

 

2012年4月20日 (金)

飲料PETボトルへのリサイクル、ようやく進み出す

昨日のテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」を観ておりました。

ニュースの中で、飲料用PETボトルを回収して、再び飲料用PETボトルを製造する「リサイクル」が紹介されました。
レポーターの女性が「飲料用PETボトルは、飲料用PETボトルにリサイクルされていると思っていましたが、まだ始まったばかりと知って驚きました」という趣旨のコメントをしていました。
私は、「ああ、そうか。環境問題に詳しくない一般の人の認識は、飲料用PETボトルが、ほとんどが再び”飲料用PETボトル”にリサイクルされていると思っているということか」と感じました。飲料用PETボトルが、飲料用PETボトルにリサイクルされている比率は、10%くらいという報道でした。

このブログで、以前に「リユース(再使用)」「リサイクル(再利用)」について書きました。飲料用PETボトルは、大部分が服(ポリエステル)、部品、台所用洗剤PETボトル、固形燃料等にリサイクルされています。飲料用PETボトルにリサイクルされるようになったのは、「ニュース」という段階です。

今まで飲料用PETボトルにリサイクルできなかった理由は、飲料用としてリサイクルするには、洗浄等のコストがかかりすぎて、採算が合わなかったからです。技術の進歩により、ようやく道が拓けてきたのです。

環境先進国と言われるドイツでは、PETボトルは10回ほど「リユース(再使用)」されてから、リサイクルに回ります。
ドイツのPETボトルは、日本のPETボトルより肉厚で、頑丈な作りになっています。「リユース」する段階で、「白い筋」が入ってきますが、ドイツ国民は、そんなことは気にしないようです。
見た目に厳しい日本の消費者には、なかなか受け入れられないようです。日本ではPETボトルの「リユース」は、あまり普及していません。以前にドイツ系の審査機関に勤めていたころには、ドイツ人の同僚から「日本では、なぜPETボトルをリユースしないのか?」と質問をよく受けました。

日本では、かつては、ビール瓶という「リユース」(洗浄して再使用)が盛んに行われていました。しかしながら、最近では、「瓶ビール」は居酒屋か、大手酒販店でしか、お目にかかれなくなりました。コカ・コーラ等の瓶製品も、ライブハウスくらいでしか、置いていないです。

「リユース」の方が、「リサイクル」より優先順位が高いことは、以前に書きました。「リサイクル」の中でも、同じ用途に使用される方が優先順位は高いです。
”飲料用PETボトル”から”飲料用PETボトルへのリサイクル”が、ようやく進み始めました。次のステップである「飲料用PETボトルのリユース」は、日本で普及するのでしょうか!?

私は、引き続き、「リサイクル」「リユース」の動向をウォッチングしていきます。

2012年3月16日 (金)

「”リサイクル”ショップ」は「”リユース”ショップ」!?

今日の朝、日本テレビの「スッキリ」という番組を観ていました。

「高級ブランド品のリサイクルショップ」が特集されていました。この「リサイクルショップ」、不要になった高級ブランド品を買い取る又は質入れして、販売するサービスを行っています。バレンタインデーにもらった高級腕時計を質入れして企業の資金繰りに回す人、ホワイトデー用にルイ・ヴィトンのバッグを4個・500万円くらいを投じて買っていった男性、等が紹介されていました。

このようなリサイクルショップに限らず、中古の家具や自転車等を売る店を「リサイクルショップ」という名前が浸透しています。

循環型社会形成推進基本法(リサイクル法)の定義によれば、「リサイクル(再利用)」は、「全部又は一部を、原材料として利用すること」となっています。その点では、一般に「リサイクルショップ」と呼ばれる店で売られている商品は、当てはまらないと思います。

一般に言う「リサイクルショップ」は、「リユース(再使用)ショップ」の方が、リサイクル法上では当てはまると思います。「リユース(再使用)」は、「①製品としてそのまま使用する(修理を含む)②全部又は一部を、その他の製品の一部に使用すること」となっています。

世の中、「リサイクル」という言葉が浸透していますので、「リユースショップ」に変えるべきとは私は思いません。ただ、環境問題に関わる人間としては、リサイクル法の「3R」を世の中に広めていく任務?を負っていると思っています。

「3R」とは、Reduce(リデュース、削減)、Reuse(リユース、再使用)、Recycle(リサイクル、再利用)の3つの頭文字が「R」であることが語源です。優先順位が高いのは、リデュース、リユース、リサイクルの順番になります。

また、リサイクルには、材料等に使用する「マテリアルリサイクル」と、燃やした熱を利用する「サーマルリサイクル(熱回収)」の2つに分かれます。優先順位は、「マテリアルリサイクル」の方が上です。

そして、どうしても廃棄しないといけないものが出てくるわけです。環境問題の中でも、資源の循環型社会を作ることが重要です。その点では、「リサイクルショップ」は、「リユース」という高い優先順位の中で行われている活動です。その点を高く評価したいと思っています。

モノを大事に使い、廃棄物を減らし(リデュース)、それでも買ってくれる所があれば、リユース。リユースもできなければ、リサイクルへ。「持続可能な開発・発展」のためには、「3R」は重要な考え方ですね。私たち個人や企業も「3R」の優先順位の高い行動を心がけたいものです。