環境マネジメントシステム

2012年3月30日 (金)

ポイントは、ISO14001等を「経営改善のツール」として使いこなす

ISO14001という環境マネジメントシステムの国際規格が発効したのは、1996年ですので、今年で16年になります。
日本において、環境マネジメントシステムに関しては、ISO14001に基づく認証登録件数が25000件くらいと推定されていて、最も件数が多いです。次いで、環境省規格・エコアクション21の認証登録件数が7000件強、エコステージの認証登録件数は1000件くらいでしょう。

最近、「環境マネジメントシステムの認証を取得したけれど、企業経営にメリットがない」という理由で、認証を返上される動きも出てきており、私にとっては頭が痛いところです。

なぜ、認証取得しても、企業経営にメリットが出ないのでしょうか?
いろいろ原因があると思いますが、最大の原因は、「ISO14001等の規格は”企業経営改善のツール”にすぎないのに、ツールに合わせようとして”企業が振り回されている”こと」と思っています。

私は、経済産業省登録・経営コンサルタントの国家資格である「中小企業診断士」の資格を取得してから、環境マネジメントシステムの認証業務に関する審査・コンサルティングの世界に入りました。
私が審査やコンサルティングで最も重点を置いている視点は、「環境マネジメントシステムが、企業経営に役立つにはどのように審査・コンサルティングするべきか」という視点です。

表現を変えると、「企業経営に役立つように、ISO14001等のツールをどのように使うと有効か」という点を重視しています。

審査に行くと、やたらと”沢山の文書や記録”を作っている企業・組織に遭遇します。いろんな文書・記録で”がんじがらめ”になっている状態です。過去の審査員の指摘で、不幸にも文書・記録の山になってしまったケースもあります。また、認証取得だけを目指したコンサルタントが、沢山の文書や記録を作ってしまった不幸なケースもあります。文書・記録の山にうずもれているような企業・組織は、たいがい「環境マネジメントシステム認証が役に立たない」と愚痴をこぼしている場合が多いです。

私がコンサルティングをするときは、文書は必要最低限しか作成しません。最近コンサルティングが終了した企業では、私が作成した文書は5つだけです。他は、「既存の文書や記録を改訂する」ことによってISO14001の要求事項を全てカバーしました。幸い、評判の高い審査機関だったので、無事に是正処置要求ゼロで認証取得されました。
審査員の方から「新たな文書作成を極力抑えてあるのに、ISO14001の要求事項は全てカバーされています。企業経営活動にリンクする、良い環境マネジメントシステムです。良いコンサルタントが就かれたのですね。」とお褒めの言葉も頂きました。

私は、企業経営に役立つ環境マネジメントシステムは、本業とリンクしていないと機能しない、と強く思っています

「ISO14001等の規格要求事項に業務を合わせるのではなく、企業経営の中に規格要求事項を取り込む」という観点で環境マネジメントシステムを構築し、運用していくことが最大の重要ポイントだと思います。

「ISO14001等の認証取得だけが目的」になってしまうと、規格要求事項に振り回された「動きの悪い環境マネジメントシステム」になりかねません。もちろん、ヨーロッパ等と取引しようと思ったら、ISO14001の認証取得が取引条件になることが多いため、認証を取得するというケースが多いのは確かです。
そのような場合でも、「あくまでもISO14001等は、経営改善のツールにすぎない」という視点を忘れないでいただきたいと感じています。

少々抽象的な記事になりましたので、今後、もっと具体的な話を書きたいと思います。

2012年3月 2日 (金)

ISO14001、エコアクション21、エコステージの比較

環境マネジメントシステムの3大規格である、ISO14001、エコアクション21、エコステージの比較表を作成してみました。

それぞれ、一長一短あります。

どの規格も、私は最高ランクの審査員資格を持ち、コンサルティングの実績もあります。

お好きな規格を選んで、ご相談ください。

ISO14001、エコアクション21、エコステージ比較表は、

こちら↓をクリックしてください。

「EMS-hikaku.pdf」をダウンロード

それぞれの特徴を簡単に記載します。詳細は、比較表をご覧ください。

最も権威があって、国際的に通用するのはISO14001に基づく審査を受けて認証取得することです。ISO(国際標準化機構)が制定した、国際規格ですので、世界中で通用します。日本での登録件数は、25000件くらいで、中国に次いで、世界第2位の件数です。特にヨーロッパと取引がある企業・組織は、ISO14001の認証を取得していないと、商売が成立しません。事実上の「非関税障壁」になっています。

審査費用が最も安く、環境省制定規格である「エコアクション21」は、国内だけの取引であれば、グリーン調達対応にも通用します。ただ、2009年に要求事項が強化されたこともあり、最近、認証件数の伸びにブレーキがかかっています。現在、7000件くらいです。ISO14001をベースとしていますが、ISO14001以上の厳しい要求事項と、ISO14001の要求事項より緩和された要求事項があります。

事実上、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが制定した「エコステージ」は、ステージが5ランクあって、ステップアップしていけるのが特徴です。件数は1000件くらいです。評価員(審査員)自身が、コンサルティング・指導ができるので、確実に認証取得できる点が特徴です。審査(評価)費用は、エコアクション21より高いですが、コンサルティングも含めた総費用では、最も安価になると思います。エコステージもISO14001をベースにしています。「エコステージ2」が、ISO14001と同等の要求事項レベルになります。多くは「エコステージ1」の認証取得企業・組織です。