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2012年3月20日 (火)

”化石”のような、安かろう悪かろう審査機関に御注意を!

私がコンサルティングした化学工業A社が、ISO14001の初回認証登録審査を受けたときの出来事です。

審査の最終日の午後、A社の担当者Bさんから、私の携帯に電話がかかってきました。何やら、Bさんの様子がおかしい。

Bさん「田坂さん、大変です。審査員が”環境側面”のところで、”環境工程図”を作っていないのは”重大な不適合”だと言って、暴れています!どうしたらいいでしょうか?」

私は、「いまどき、こんな相談を受けるとは」を思いながら、Bさんに言いました。

私「Bさん、大丈夫ですよ。そのような”化石”のようなヘンな審査員を”一発で撃退する方法”を伝授しますから」

Bさん「えっ!本当ですか!」

私「Bさん、最終ミーティングのときに、その審査員に”それはISO14001の規格要求事項のどこに抵触するのですか?”と言うだけで結構です。それで”一発で撃沈”できますから、御安心を。その審査員は、電機か機械業界出身の方ですよね?」

Bさん「確かに機械業界出身です。田坂さん、よくわかりますね。”技術専門家”とかいう人も来てますが。ところで、”環境工程図”とは何ですか?」

私「”環境工程図”というのは、電機・機械業界のように、製造工程が長い業界でよく使われている手法で、工程毎に、投入される物質、排出される物質をまとめていく図のことです。御社のように、化学反応装置にいろいろな製品を仕込んで化学反応させて、1工程で多種の製品を作り分ける業界には作る意味がない手法なので、私は作ることのアドバイスをしなかっただけです。ISO14001規格には、”環境工程図”を作ること、という”要求事項”はありませんから大丈夫ですよ。」

Bさん「そうですかぁ~。安心しました。そのように言ってみます。」

夕方になって、Bさんから私の携帯に再び電話がかかってきました。

Bさん「田坂さん、ありがとうございます!田坂さんのアドバイス通りに答えたら、指摘事項を取り下げてくれました。不適合・是正処置要求事項:0件で合格しました。」

というわけで、A社はめでたく、ISO14001認証を取得され、「環境にやさしい取り組みをする企業という”お墨付き”」を手に入れられました。

審査員は、あくまでもISO14001に基づく審査であれば、ISO14001という国際規格に基づいて審査をしなければいけない、これは審査の「基本中の基本」です。しかしながら、自分の経験した内容をやっていないと「不適合・是正処置要求」と暴れてしまう困った審査員がいらっしゃいます。そのような方は、20世紀で「恐竜」のように滅びたと思っていたら、21世紀になって10年以上経つのに、まだ「化石のような審査員」が生息していました。私がアドバイスしなかったら、A社はどうなっていたのやら!?

最近、ISO14001の審査料金を安い価格に設定している審査機関が出てきています。このケースの場合は、まさに「安かろう、悪かろう審査機関」の典型です。

ISO14001の認証を取得しようと考えておられる組織、安い審査機関に乗り換えようと思っておられる組織の方は、「料金が安い審査機関は”安かろう、悪かろう審査”になる”覚悟”を持たれるならば、安い審査機関を選定されてください」、と提言しておきます。

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